とりっくるーむ

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「14平米にスーベニア」に久川凪のアイドルとしての夢を見るか

この記事は「14平米にスーベニア」を試聴して自分が感じたこと、思ったことを勢いで書き上げたものです。私の担当アイドルのシンデレラマスターの試聴公開を控えて、よもや自分が他のアイドルのソロ曲の話を先にする日が来るとは思っていませんでした。

5月7日から試聴がスタートした久川凪の待望のソロ曲「14平米にスーベニア」を皆さんお聴きしましたでしょうか。

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こんな心地良い音とリズムで構成された曲、あまりに自分の好みどストレートすぎました。音が良すぎて無限に聴いていられる。作曲・編曲を担当しているemon(Tes.)さん天才すぎてありがとうとしか言えない。

そして歌声が完璧に「久川凪」なんですよ。いや、凪が歌ってるんだから当たり前なんですけれど。開幕の「いえーい」のテンションの安心感、わかります?わかりますよね?そもそもラップで歌詞も曲の展開も変化が激しくどこまでも歌うのが難しいような曲だと思うのですが、久川凪そのままを表現して歌っているCVの立花日菜さんってすごい方なんだなあと改めて思った次第です。歌を聴いてるだけで凪の表情が手に取るようにわかる気がするんですよ。もうすごい。

可愛らしい音色にころころと展開が変わるメロとサビに不思議な歌詞と久川凪というアイドルにとてもぴったりなこのソロ曲、改めて歌詞を見てみるとまだ試聴部分で2分の歌詞でしかないのに自分の中に稲妻が走ったのでここに筆を取りました。誤字脱字等もあるでしょうし、間違っている部分もあるかもしれません。私個人の考えとして読んでいただけると幸いです。

 

 

久川凪にとってアイドルは自分だけの空間を得る手段である

「14平米にスーベニア」の話をするために必要なことだと思ったので、まずは久川凪の話をします。

詳細は省きますが、久川凪は久川颯がオーディションを受ける際に保護者という形で徳島から東京へ同行し、颯がオーディションを受けている裏でプロデューサーと遭遇し、スカウトされることでアイドルとなった14歳の女の子です。最終的には颯と共にmiroirという双子のアイドルユニットを結成することになり、先輩アイドルとも関わり合いながらアイドルとしてのいろはを学び、ステージを成功させてアイドルとしてのスタート地点に立つわけでありました。

ここで重要なのは久川凪自身は最初からアイドルになろうと思っていたわけではない、ということです。これは私の担当アイドルである佐久間まゆや黒埼ちとせもそうなのですが、"アイドルになる"とは何かを成し遂げるための手段であった、ということですね。前者であればプロデューサーの近くにいるための、後者であれば白雪千夜に自らが居なくなったときの居場所を作るための、といったところです。

久川凪がアイドルになった理由として考えられるのは「久川颯」の存在です。凪はその台詞回しが独り歩きしがちですが、実は颯のことを非常によく見ており、また、颯を大切に思っている描写が目立ちます。

「久川凪のメモリアルコミュ2」では、颯のためにレッスン場の下見をしている場面が描かれています。この時に久川凪自身が語ったアイドル活動とは「体当たり」です。自分自身は体当たりで挑んで、その経験を颯にフィードバックすることにより颯自身のアイドル活動が潤滑に進むようにしたい意図があるのでしょう。事実、久川颯のメモリアルコミュの方では凪のフィードバックのおかげかスムーズにレッスンができていたわけです。

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ライブ前に不安になる颯を勇気づけたのも凪でした

では久川凪は久川颯のためだけにアイドルになったのかと言うとそれもまた違うと言えるでしょう。凪が颯を支えるように颯が凪を支えるような場面もこれまた多く描かれています。特に独特な言い回しの多い凪と他のアイドルとのコミュニケーションの繋ぎをするのは颯の大きな役割です。つまるところ凪には颯が必要であり、颯には凪が必要であるということを凪が理解しており、颯もまたそのことを理解しているのだと思います。

さて、ここまでを整理しますと久川凪がアイドルになった理由は久川颯を支えるためと自分自身を颯に支えてもらうため、つまるところ双子を維持するため、とも言えますが、もう一つ語っておきたい話がございます。それはO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!のイベントコミュで描かれている"女子寮で凪と颯が別々の部屋で一晩過ごすことになる"というお話ですね。凪は唐突に女子寮に泊まりたいと言い出し、女子寮にて小日向美穂さんから「ひとり一部屋ずつ使える」という話を受けて「おぉ……夢のマイホームならぬ、マイルーム……。」と凪が言葉を漏らす第4話の場面です。

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二人の表情の差が印象的

この場面において颯と凪の考えは対照的で、「これまでずっと一緒だったから離れるのは寂しい」と考える颯に対し、「自分の場所がほしい」と考える凪。これは私の考えなのですが、「久川凪は自分だけの空間を得るキッカケをずっと探していたのではないか」と思っています。

例えば、凪がスカウトされずに颯がオーディションに受かった場合、颯が上京して離れ離れになることは明らかであり実家の徳島で自分だけの空間を得ることができていたでしょう。もちろん凪がスカウトされ颯がオーディションに落ちた場合も上京するのが凪に置き換わるだけで自分だけの空間を得ることができていたというところに変わりはありません。つまり、私が考える久川凪にとってのアイドルとは「自分だけの空間を得るための手段」だった、と思っています。だから二人でアイドルになったとしてもそこだけは譲れなかった。それが女子寮に泊まるという発言になり、ひとり一部屋ずつ使えるという言葉に思わず漏れ出た「夢のマイルーム」なのだと思っています。

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本心はどうであれ凪自身もこう言っていますので

メタ的な話を言えば、シンデレラガールズのアイドルはキャラクターが個人として認識され、ボイスが付き、ユニットを経て曲を貰って歌を歌う、という面がありますが、miroirやVelvet Roseは全くの逆で、ユニットと曲を貰ったところからシンデレラガールズの物語がスタートしています。つまり辿る道も逆順になることを意識しているのであれば、彼女たちの終着点は個々として認識してもらう、miroirであれば「双子」ではなく「久川凪」と「久川颯」として独り立ちする物語であると言えるでしょう。そういう意味でも「自分だけの空間を持とうとする」久川凪はこのテーマにおける大きな一歩であり、スタート地点であると私は思っています。

もちろん、久川凪がアイドルにとって特別な感情がないとは言いません。颯や他のアイドルとのアイドル活動はもちろんのこと、隣にいるプロデューサーとの軽妙なやり取りをしながらのアイドル活動は凪にとってかけがえのないものであり、今ではむしろそれ自体を楽しんでいると言えるでしょう。

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凪から見たPは凪を理解してくれる人だと思っている節も

 

 

「14平米」は"アイドル"久川凪である

前段からずいぶん長い話をしてしまいました。ここから「14平米にスーベニア」の話をしていきます。と、言っても、おおよそ全て話してきました。この歌をそのまま読むと上京した子が賃貸契約して自分だけの部屋を得て新生活に期待を抱いている、という感じです。さて、ここまででそんな子がいましたね。久川凪です。わーお、直球。

まあまあ、とりあえず以下の画像をご覧ください。下記は久川凪に初めて実装されたプラチナオーディションガシャのカード、いわゆる恒常SSR[オフタイム・ナギルーム]久川凪の特訓エピソードの一部分です。

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なんとなく「14平米にスーベニア」の試聴部分の歌詞そのままに見えませんか。結論から言えば、「14平米にスーベニア」の試聴部分は上で述べた「久川凪がアイドルになったところ」までを描いていると私は考えています。

細かい紐解きをする前にまずは"14平米"ついて考えていきたいと思います。試聴部分の歌詞を文字に起こして読み解くと、サビ部分に

14平米にスーベニア

まだ余白だらけのワンルーム

とありますので、14平米はどうやらワンルームの広さでありワンルーム自体を表していると言えるでしょう。他の部分の歌詞では

自分だけの部屋なんだ 好きだらけにするんだ

思うまま最高な 今自分ナイズ

ともありますので、このワンルームは自分だけの部屋のことであるとも言えそうです。

部屋の広さを表す数ある言葉の中から14平米という言葉が選ばれたのは、久川凪の年齢である14歳の数字と一致しているという面も大きいと思いますが、14平米という広さが絶妙な広さであるというところも挙げられます。14平米とはおおよそ8畳前後です。一部屋8畳前後であれば単身者が一人で住むには十分なスペースであると言えます。この歌の人物を久川凪に置き換えた場合、自分だけの部屋は女子寮の部屋ということになります。女子寮の部屋は美穂から1Rもしくは1Kという発言がコミュ内でありますのでその大きさが14平米だと考えてもそう外れてはいないでしょう。

先程のコミュの画像の台詞も見てみましょう。女子寮暮らしに慣れてきた凪は部屋を凪流にナギナイズして誰のものでもない部屋を凪らしくすることを楽しいと述べています。そしてアイドルにも慣れてきたので凪に合わせて大改造するチャンスだと続けています。凪の中の感覚では女子寮の部屋もアイドルも近いもののようです。彼女が得た自分だけの部屋はアイドルにならなかったら得られなかったかもしれない部屋であることも考えれば、"14平米"を"アイドルである久川凪"に置き換えてもおおよそ意味は通じると思います。

"14平米"をアイドルと考えれば、意味が変わってくる歌詞もありますね。

判子をついたら賃貸契約 いい箱作ろう新生活

賃貸を借りることにおいても契約が必要ですが、これはアイドルでも同じですね。労働だって契約が要ります。アイドルマスターシンデレラガールズの事務所におけるアイドルは個人事業主か労働者なのかはわかりませんが、少なくとも判子をついて契約書を交わしていることは間違いないはずです。

上京 初の単独行動 目指すは買い物スポット

買えるだけ 買うができない

バグか? いいえ おこづかい制です

 14歳の女の子がアイドルとしてのお給料を全額懐に入れるのは無理がありますね。お給料であれば14歳の女の子が買いたい物を買えるだけ買うことができるかもしれないですが、その辺りは保護者が管理していて使える分はおこづかいとして与えられるのが普通でしょう。初の単独行動についても久川姉妹ではなく「アイドル久川凪」が誕生したからこそ凪ができるようになった、ということを表しているとも言えそうです。

 

 

「14平米"に"スーベニア」であり「14平米"が"スーベニア」である

ここから先は"14平米"をアイドル久川凪と同一のものとして扱うことで話を進めます。

自分だけの部屋なんだ 好きだらけにするんだ

思うまま最高な 今自分ナイズ

 [オフタイム・ナギルーム]久川凪の特訓エピソードそのままの歌詞ですね。コミュそのままを読み取れば、「自分だけの部屋を自分らしく飾り付ける」「凪らしい、自分らしいアイドルになる」という思いでしょうか。しかし、続く歌詞はその思いから見るとずいぶんと小さな一歩です。

まずは様子見 とりあえず無課金

お手元のカメラで街角スナップ

季節知らずの桜咲かせ 可愛い概念出会えました

一枚もらってもいいですか

許可取りOK ライティングOK

猫が大きくあくびした

 久川凪の趣味である写真がまさかこんなところで脚光を浴びることになるとは想定外でした。ここで撮ったこの写真は後に"14平米"に飾ることとなります。

私が思うに、久川凪がアイドルになった時、久川凪自身が思う自分にできるアイドルっぽいことがこの「可愛い写真を撮る」ことだったのではないでしょうか。凪の趣味は3つあり、「写真」「ポエム」「読書(新書)」です。後ろ2つについては"一般的"なアイドル像とはかけ離れていますので、消去法的に凪が写真を選択して自分が思うアイドルっぽいことをやってみたのだと思います。アイドルとして駆け出しで経験も少なくレッスンもまだまだこれからとなると凪自身の引き出しの数は限られています。それが「様子見」と「無課金」という言葉に現れているのでしょう。どんなゲームでも無課金であれば今持っている装備で戦わなきゃいけませんしね。

猫が大きくあくびをするのはその凪の姿がアイドルとして「退屈」に見える、という考えは少し邪推しすぎ、かな。

14平米にスーベニア

お土産に写真飾ろう

笑ってしまうの 笑っちゃうだろうな

 試聴部分において私の心を真に掴み、そしてそのまま攫っていった一節です。

最初、「久川凪が自分だけの部屋に自分だけの第一歩として写真を置いて、これからいっぱいにしていくであろうこの部屋への期待に笑みをこぼした」と思っていました。もちろんその旨も含まれているとは思うのですが、自分の中で引っかかっていたのは「果たして、久川凪はそんな表情をするキャラクターだっただろうか」というところです。ガランとした部屋にぽつんと写真が1枚だけ飾られた時、彼女は自嘲気味に笑うのではないかと思ったんです。もし、期待に笑みをこぼすのであれば「笑ってしまうの」や「笑っちゃうだろうな」のどちらか一節だけで良かったのではないかと。笑う表現が2回入ることで「笑ってしまう」凪を凪自身が第三者目線で見て「笑っちゃう」という表現なのではないかと考えました。やりたいことがあっても今の自分にできることはまだこれだけ、これがせいいっぱい。そんな笑い。

14平米にスーベニア

まだ余白だらけのワンルーム

だから詰め込めますね 愛すべき夢と現実

 だから彼女はこの余白だらけのワンルームに「愛すべき夢と現実」をこれから詰め込んでいくわけです。ここで夢だけじゃなくて現実を詰め込むのがとても凪らしい気がします。凪はかなり好奇心旺盛で最近なんかは大道芸のショーに自分から参加するぐらいです。経験を考えて次に活かす経験を重視するタイプのように見えます。現実は「今できること」という意味もありますが、「やっていること、やってきたこと」という意味で思い出という意味にも取れるのではないかと思います。写真を置いたのも今できる彼女の「現実」ともやってきた「現実」とも言えますしね。

タイトルにもある「スーベニア」ですが、これは「思い出になるような記念品・土産物」という意味です。試聴部分でスーベニアに当たる部分は「写真を撮るに至った行為及び撮った写真そのもの」と考えるのが自然でしょう。夢と現実であれば間違いなく「現実」の部分です。14平米にスーベニアを飾っていくのであれば、"14平米=アイドル"として考えた場合、アイドルとしての経験や思い出をアイドルにフィードバックしていく、というところでしょうか。先に述べたようにアイドル活動は体当たりと述べる凪らしい考えとも言えます。また、「写真を撮るに至った行為及び撮った写真そのもの」をスーベニアと呼ぶのであれば、アイドルにならなかったらスーベニアって存在していないんですよね。スーベニアがアイドルとしての思い出であれば、アイドル自体が久川凪にとってのスーベニアといえる可能性もありますね。

 

 

「14平米にスーベニア」に久川凪の夢を見るか

では詰め込めると述べている「夢」とはなんでしょうか。試聴部分を見てみても直接「夢」に当たりそうな部分は無さそうに見えます。「ワンルームに詰め込める」というところから「スーベニア」もしくは「自分だけの部屋なんだ 好きだらけにするんだ」の辺りでしょうか。「現実」と対比するにあたって「空想」や「理想」の意だと思うのですが、彼女が現実を見て自嘲したことを考えればここは「理想」と見るのが良いかなと思います。彼女が写真を飾って自嘲したのもそれは自分が思う理想からかけ離れているからであって、そうであるならば理想との差異を埋めていきたい思いはあるはずです。

 

久川凪のアイドルとしての理想とはなんでしょうか。

 

前段で「凪がアイドルになったのは自分だけの空間を得るため」と述べました。ここでもう一つ語っておきたいのは「久川凪がアイドルになることをプロデューサーが望んだから」彼女はアイドルになったというところです。Nカードである久川凪の特訓エピソードでそのようなやり取りが描かれています。自分が望んだからアイドルになった久川颯とは全く正反対なんですね。最初からアイドルというものに明確な目標や理想がある颯と違って、凪のその辺りの話はかなりぼんやりとしています。[オフタイム・ナギルーム]久川凪の特訓エピソードでは自分の自由を肯定してもらった上で「凪は凪らしく、アイドルはアイドルらしく」という発言がありましたが、特にこの辺りを掘り下げているエピソードはなかったと思います。他の特訓エピソードを見ても凪が自発的に何か希望を述べるよりはプロデューサーが用意した形でアイドルをやっているような描写が多いです。

言ってしまうと、現段階では凪のアイドル活動はプロデューサーにかなり依存しています。それもそのはず、[O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!]久川凪の特訓エピソードでは下記のようなやり取りがあります。

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これから意味をつくっていく――凪にとってのアイドルはアイドルになってからつくっていくものだったわけです。そんな彼女がプロデューサーと共にアイドルとしてたくさんの経験を積んで、そして彼女のためだけに用意された歌に突如表れた「愛すべき夢」という言葉。久川凪が語るアイドルとしての夢、気になりませんか。その答えがフル尺に眠っている感じがしませんか。

ここまで述べておいてこんなことを言うのもアレですが、試聴部分から先で描かれることは「愛すべき夢と現実」の部分だと思いつつも最終的にマイルームに何も詰め込まない可能性もないわけじゃありません。なにせ「詰め込みますね」じゃなくて「詰め込めますね」って歌っているんですよ。読み方次第じゃ「詰め込むことが可能です」ってところで止まってるかもしれない。予想がつかないところが久川凪の強みとも言う。早く発売日になってほしい……。

 

 

 

おわりに

私はこの歌を聴いて久川凪のことがとても愛おしく感じました。ここまで述べてきた解釈が正しいのか正しくないかは置いておいて、たった一人のキャラクターの初ソロ曲で一人の人間の心をこれだけ動かした、もうそれで良い気がしました。

久川凪のこと、最初からずっと気にしていたんですね。自分の名前と近いからというのもありますし、強烈な個性を持っているキャラクターでもありますし。凪のあの強烈な個性や言い回しって本人にとっては自然体なんですけれど、周りから見たらやっぱり異質な感じもあるじゃないですか。「自分らしく」を貫くことって大変なことだと思うんです。目立つって時には悪いこともありますし。

彼女を強く意識するようになったのは自分の担当アイドルである佐久間まゆが登場していたcomic cosmicのコミュで"久川颯のアイドル像"というものに触れてからでした。久川姉妹の二人の活躍を応援したいな、と強く思うようになったのと同時に"久川凪のアイドル像"とは何か、をものすごく考えるようになりました。ただ、凪についてはデレステのコミュやカードでは颯ほどはっきりと描かれるようなことはありませんでした。この辺りは黒埼ちとせと白雪千夜もそうで、カードやエピソードの数が同じでも物語が進む速度が二人の間で全然違ったんですね。この速度の差は「相手をアイドルにするための存在だった」というところが大きかったのかな、と私は考えています。つまり、本当の意味での自分のアイドル観というものが定まるには相手がある程度自分の手を離れてアイドルになっていないといけない、ということです。彼女たちが新アイドルとして追加されてかなりの時間が経ちました。颯も千夜もアイドルとして成長している描写が増えてきています。そんなタイミングで黒埼ちとせと久川凪のソロが出る、ということが決まった時、「彼女たちがどんなアイドルなのか、どんなアイドルになりたいのかがこの歌にメッセージとして込められているかもしれない」ということを思いました。 久川凪については、彼女が自分だけの部屋で初めて吐いた独白にこそ彼女自身の強い思いが乗っていて、だからこそこの「やっていきましょう」という言葉があるのであれば、彼女はアイドルに何かしら意義を見いだせる存在だと思っています。

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凪が直球で本心を語る数少ない場面

 だから、私はこの「14平米にスーベニア」に久川凪のアイドル像を、久川凪の夢を、夢見ています。試聴段階を聴いただけではありますが、フルには久川凪のアイドルへの思いを見つけることが、もしかしたら私にもできるのではないだろうかと思っています。久川凪の考える自分らしさみたいなものを知りたいと思っています。

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最近は少しずつ答えに近づいてきている気がします

ここまで語ってきましたが、久川凪については担当アイドル以上にのめり込んでいる部分が自分としてあるなあと思いました。凪・颯担当Pである友人とは凪と颯の話をこれでもかというくらい交わしてきたわけなのですが、友人は私のことを「いつか久川凪の担当になるだろう」と思っていたそうです。私ははーちゃんのことがかわいいと言い続けてきたのではーちゃんの担当になるかもしれないと自分自身を評価してきましたが、どうやら久川凪が大本命だったようです。わーお、私が久川凪の担当になる衝撃の瞬間はCMのあと。

というわけで「14平米にスーベニア」のフル尺がとても楽しみです。そして、私の担当アイドル「黒埼ちとせ」のソロもいよいよ発表です。「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 058-060 黒埼ちとせ・砂塚あきら・久川凪」は2021年5月19日発売。ぜひ購入して聴いていただけると嬉しいです。